「e-s 演劇仙台」の「観客席」ページから再録

投稿時間:2001/10/15(Mon) 00:04
投稿者名:たかはしみちこ  
Eメール:
URL :http://mosi2.tripod.co.jp/
タイトル:劇団どくんご「踊ろうぜ」
衝撃でした。
あたしがみた芝居のなかで一番といっていいほど
よかった。
これを観るために演劇やってたんだなあ、と思わせるほど
よかった。
以前の劇評バトルの書き込みでおーみさんが、
「子供が騒いでもなにしても気にならない公演」とおっしゃっていましたが、
本当にびっくりするほどなにも気にならない。
いや、かえってそうある方がわくわくするし面白い。
たばこを吸ってる人もビールを飲んでいる人もいたし、
子供が舞台に入ってしまったこともあったのに、それが面白い。
後ろに見える景色、土、こだま、すべてを受け入れている、
というか取り込んでいる芝居でした。
役者さんが叫ぶと、大きくこだまがかえってくる。
山や空すら味方につけて気持ちいい空間でした。
役者さんでは、女の子のにしかみえない男の子を演じている男の人(暗悪健太さん)が
登場しますが、初めての体験でした、
役者さんが気になって気になって気になってたまらなかった。
その子のことを考えると近くにいきたくてたまらない。
なんだかとても愛してあげたいと思いました。
なんといっていいのかわかりませんが、
あたしの人生これですこし変わるかも、と思うほどでした。

まだ今日の夜石巻で公演があります。
それを見逃してもまだ浦和でもう一回公演があります。
ぜひ、ぜひ、体験してみてください。

投稿時間:2001/10/15(Mon) 00:05
投稿者名:おーみ
Eメール:omi0728@yahoo.co.jp
URL :http://mosi2.tripod.co.jp/
タイトル:劇団どくんご「踊ろうぜ」
「劇団どくんご」の芝居とその表現について、ただ凄い凄いと連呼しても
伝わらないと思うのでなにか妥当なたとえはないかなあと考えていたら居
た居た。誰あろう背番号3長嶋だ!
長嶋のプレイはたとえ結果がどうあれ(エラーをしても三振をしても)常
に惚れ惚れするようなパフォーマンスに彩られていて決して客を飽きさせ
ることがない。見ているほうもおもいおもいのスタイルで楽しむことがで
きる。そして回を追うごとにドラマが生まれゲームとして成立する。

どくんごの公演は、長嶋がいっぱい出てきて、その一挙手一投足のパフォ
ーマンスに酔いしれ、シーンごとにこめられたメッセージを感情の深い所
に刻みつけ、観た人の心の中において決して尽きることのない感動として
長くとどまることになる。
そんな感じです。

どくんごの表現では、打ち上げの席でうかがったのですが、故意による嫌
がらせと受け取れるもの以外は全て受け入れて芝居をする準備ができてい
るそうです。それだけ表現に甘えや妥協がないと言うことであり、それだ
け自信のあるものを劇団として提供しているんだと言うことでしょう。ま
た劇団の姿勢にそのような甘えがないからこそ、観客は制約を感じること
なくのびのびと心から芝居を堪能できたのでしょう。おばちゃんがお喋り
をやめなくても携帯が鳴っても子供が役者の台詞に反応してもぜーんぜん
気にならないし逆にそれくらい無心で観て居たいと逆に子供が羨ましくす
ら感じられた。

仙台公演と石巻公演の違いは客の違いによるところが大きいと思う。仙台
では客の人数も半分ぐらいだったし子供とおばちゃんがほとんど居なかっ
たためか、陰影に富んだ洗練された感じの表現だったのに対し、石巻公演
は、エネルギーが充満した密度の濃い時間空間を表出した表現だった。客
の質ってこんなにも重要なものだったんだなあと思うし、また客と一体と
なった演劇表現って本当に存在するし成立しうるものなんだなあと実感し
た。


蛇足になるけど、こんなにも凄い表現を、三年に一回しか観られない公演
を、宮城県で体験できたのはわずか三百人程度だったのかと思うと、なん
だかとっても、もったいないことをしているなあ。