まほちゃんのつぶやき(ぼやきではない)
まほ(31) | |||
まほ(31)です。この間まで春猫さかりと名乗っていました。その前は猫海ねこと名乗っていました。15の時どくんごに入って、気が付けば31です。月日の経つのは早い。
「少し早いが、ほぼよろしい」はおもしろかった。観ている人にとってもそうだったかもしれないけれど、やっている方もおもしろい芝居だったです。 でも、やり終えた今だからこそ、振り返って「おもしろかった」と言えるけれど、作っていく過程はそれはそれは大変なものでした。 舞台にどう立てばいいかわからない。渡されたセリフをどう喋ればいいのかわからない。どう動けばいいのかわからない。つまりは舞台に立つ拠り所がわからない。 わからない状態でも日々稽古はしていくのだけれど、この芝居がどこに向かっているのかわからない。自分の中に拠り所がないので、とりあえずやってみせているものがおもしろいのかどうか、わからない。わからなさ、自分の力量のなさにうなだれ。 このわからない状態に終止符を打ったのが、キャラクターでした。 どんな声を出すの、どんな喋り方をするの、どんな事をおもしろがるの、どんな性格なの…そんな一つ一つの断片が積み重なって生まれるあるキャラクター。 皆そろっておでぶさん。口にスーパーボール入れまして。帽子かぶって白手袋も忘れずに。 「ひざが伸びきらないで…」「常に口は半開きで…」「自分のだじゃれに自分で受けて…」「周りを気にせずマイペースで…」そんな劇団員の一言一言で肉付きのよくなっていくキャラクター。 このキャラクターこそ、舞台に立つ自分の拠り所なのです。 自分になじむまでがまた大変なのだけれど(そこは自分の力量のなさ)、なじんでしまえばこっちのもの。好きだな、あのキャラクター。 ああいうキャラクターが生まれた(発見された)ことは、とても嬉しい、おもしろいことなのです。 言葉はもちろん大事だけれど、字面だけのメッセージなんていらない。それよりも「言葉をともなった身体」−言葉を吐く、感情を吐く身体−を観て楽しんでもらえたらなと思います。 今回はもう終わっちゃったけど。次いつやるかわからないけど。でも今度観る時は。 今後もどくんごとのお付き合い、よろしくお願い申し上げて、さらばです。 (了) |